弁護士 飛田のコラム

2018.04.17更新

交通事故後,病院に一定期間通院すると,通院慰謝料が認められます。

我々弁護士は通常,「赤い本」と呼ばれる本に掲載されている別表に従って通院慰謝料を計算しています。

この「赤い本」の慰謝料は,いわゆる裁判基準であり,裁判で判決を得た場合にはこの別表程度の金額になります。

 

交通事故の通院の多くは,むち打ち症となっています。

むち打ち症といっても,軽症(軽傷)から重症(重傷)まで様々であり,むち打ち症の方の通院期間については一概には決めることができません。

もっとも実務上は,本人の自覚症状の程度,主治医の診断,事故の衝撃の大きさ(事故の態様,修理額)などから,1か月未満から6か月間程度が通院期間とされることが多くなっています

そのため,加害者側の任意保険会社は,主治医の診断や事故の態様・修理額等を参考に,例えば,3か月程度が妥当だと判断した場合には,治療費の支払いを3か月で打ち切ってくることがあります。

私の経験上,事故の程度と通院期間の関係としては,

軽度 1か月

中度 3か月

重度 6か月

を大まかな目安として考えています。

もちろん,通院は,頚部痛や腰部痛などの自覚症状があることが前提です。自覚症状がなくなれば,その時点で治癒と診断され,治療は終了となります。

 

さて,「むち打ち症で他覚所見がない場合」には,通常「赤い本」の別表Ⅱを使用し通院慰謝料を計算します。

他覚所見とは,MRI等の画像上,今回の事故との因果関係が立証できる場合をいいますが,多くの事案では,他覚所見はなく,別表Ⅱを使用することになります。

別表Ⅱでは,通院期間1か月で19万円,3か月で53万円,6か月で89万円となっています。

ただ,これは裁判基準ですので,裁判をしていない交渉段階では,最大で裁判基準の80%から90%程度とする保険会社が多いようです。

 

なお,「赤い本」には,「通院が長期にわたる場合は,症状,治療内容,通院頻度をふまえ実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもある。」と記載されています。

そのため,通院期間が6か月あっても,実通院日数が,月に2,3日と少ない場合等には,保険会社は,実通院日数の3倍程度で計算した通院期間とすべきと主張してくることがあります。

我々弁護士としては,6か月が「通院が長期にわたる場合」には該当しないことや治療内容等を主張し,通院期間を6か月として計算すべきと反論することになります。

「通院が長期にわたる場合」の具体的な期間について,「赤い本」には記載がありませんが,いわゆる「青本」には「通院が長期化し,1年以上にわたり~」との記載があります。

そのため,通院期間が1年に至っていない場合には,「通院が長期にわたる場合」には該当しないとの反論が可能だと考えます。

 

投稿者: 弁護士 飛田 貴史

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